グルタミン酸Naとは、持続性のある保湿剤として機能
グルタミン酸Naとは、ナトリウム塩を含んだ酸性アミノ酸の一種であり、日本の化学者である池田菊苗によって1908年に発見されました。
グルタミン酸Naは水に溶けにくく、酸性であるために、うま味を調味する際にナトリウム塩の形にしたことで、より味覚的に美味しくなりました。
このことから、うま味調味料「味の素」として有名であり、多方面で使われるようになっています。
グルタミン酸Naは、美容製品にも用いられており、主にスキンケア製品、ボディ&ハンドケア製品、シート&マスク製品、アウトバストリートメント製品、シャンプー製品、ヘアトリートメント製品、メイクアップ製品、クレンジング製品、洗顔料、洗顔石鹸など様々な製品に使用されています。
グルタミン酸Naは、水溶性であるため、水に混ざりやすく、皮膚に塗布すると比較的容易に浸透していきます。
また、グルタミン酸Naは、角質層において保湿作用を持っています。
通常の健康な皮膚では、角質層がバリアの役割を果たしており、グルタミン酸Naは、経皮吸収されにくい傾向があります。
しかし、肌荒れや皮膚炎などでバリア機能が低下している場合、グルタミン酸Naは高い経皮吸収性を示し、保湿作用を持っています。
このため、様々な美容製品に使用されることで、持続性のある保湿剤として機能することが期待されています。
アミノ酸は、皮膚の角質層に吸収されることが困難な理由は、アミノ酸がイオン性物質であるため、角質層の水和現象に影響を与えるためです。
これにより、アミノ酸の皮膚吸収にかかる時間は長くなります。
表皮とアミノ酸の間には、水素結合や静電気的相互作用があるため、吸収が遅れると考えられています。
グルタミン酸Naは、食品添加物の指定添加物リストに収載され、日本薬局方外医薬品規格2002でも基準を満たす成分として収載されています。
また、1980年代からの使用実績もあります。
皮膚刺激性はほとんどないと報告されていますが、眼刺激性については詳細は不明です。
また、アレルギー性についても、皮膚感作性はほとんどないと考えられます。
これらの結果から、化粧品に配合される通常の量および使用条件下で、グルタミン酸Naは一般に安全であると考えられます。
皮膚刺激性やアレルギー性については、試験データから見ても影響は見られず、ほとんどの場合、問題はないと考えられます。