加水分解シルクとは、傷んだ髪に水分を補う
「加水分解シルク」というものは、カイコの繭から抽出されるシルクの原料を特殊な方法で分解したものであり、水溶性のシルクペプチドとして使われます。
この加水分解シルクには、保湿効果があり、塗布した場合は皮膜を形成する能力があります。
この加水分解シルクは化粧品の中で、主にうるおい、なめらかさ、ツヤを向上させる効果や保湿効果を期待されて使用されます。
そのため、シャンプーやトリートメント、メイクアップ製品、ネイル用品、スキンケア製品、ボディソープ、ヘアカラー製品、ボディ&ハンドケア製品など、多種多様な製品に使用されています。
また、加水分解シルクは、吸水性が比較的高く、毛髪への浸透力もあるため、傷んだ髪に水分を補う作用があることがわかっています。
さらに、加水分解シルクは、キューティクルを滑らかにし、ツヤをあたえる効果があるため、シャンプーやヘアケア製品、まつげ美容液などでも使用されています。
角質層の水分量を増やす保湿効果も期待されていますが、現時点ではまだヒト試験のデータが十分に揃っていないため、今後の研究が求められています。
現在の加水分解シルクの安全性については、以下のようなポイントが挙げられます。
・医薬部外品原料規格2021に収載:加水分解シルクが安全性基準を満たしていると認められ、医薬部外品原料規格2021に収載されました。
・30年以上の使用実績:加水分解シルクは、30年以上もの長い期間使用されており、その間に安全性に関する問題が発生した例は知られていません。
・皮膚刺激性:加水分解シルクはほとんど刺激がないとされています。
試験データからも、皮膚刺激や皮膚感作の報告がほとんどなく、一般に問題のない成分であると考えられます。
・眼刺激性:加水分解シルクに対する眼刺激もほとんど報告されておらず、一般には安全性に問題がないとされています。
・光毒性(光刺激性):加水分解シルクは光による刺激や毒性もほとんどなく、光毒性や光感作についても問題がないとされています。
加水分解シルクは、化粧品に配合される際にも安全性が考慮され、通常の使用方法においても一般に問題のない成分とされています。
そのため、今後も引き続き加水分解シルクが使用される可能性が高く、安全面についても十分に確認された成分であると言えます。