ステアルトリモニウムブロミドとは、静電気を抑制し、パサつきを防ぐ効果
ステアルトリモニウムブロミドは、アルキルアンモニウム塩で、カチオン性界面活性剤の一種です。
この界面活性剤は、主に化粧品に配合され、帯電防止効果や柔軟性付与によるヘアコンディショニング作用などの目的で使用されます。
具体的には、コンディショナーやトリートメント、ヘアパック、ピーリング、ゴマージュ、カラートリートメントなどの製品に含まれます。
ステアルトリモニウムブロミドは、モノアルキル型四級アンモニウム塩であり、ステアルトリモニウムクロリドと同様に毛髪の表面に吸着して静電気を抑制し、パサつきを防ぐ効果があります。
また、良好な櫛通り性を与えることもできます。
そのため、コンディショナーやトリートメント、ヘアパック、カラートリートメントなどの製品に一般的に使用されます。
ステアルトリモニウムブロミドが配合されている場合、成分表示名にイソプロパノールが一緒に記載されることがあります。
これは、一般的にステアルトリモニウムブロミドがイソプロパノールに溶かし込まれた形で使用されるためです。
一方で、ジココジモニウムクロリドはジアルキル型四級アンモニウム塩であり、これをモノアルキル型の陽イオン界面活性剤と組み合わせることで、皮膚にすべすべ感やつるつる感を与えるなめらかな感触を付与することができます。
そのため、ピーリング製品やゴマージュ製品に使用されます。
ステアルトリモニウムクロリドは、ジココジモニウムクロリドと組み合わせて使用されるモノアルキル型の陽イオン界面活性剤であり、ピーリング製品やゴマージュ製品に使用されることがあります。
一方、ステアルトリモニウムブロミドは、主に同じくジココジモニウムクロリドと組み合わせて使用され、医薬部外品原料規格2021に収載されるほか、20年以上の使用実績があります。
皮膚刺激性はほとんどありませんが、眼刺激性については詳細不明です。
また、皮膚感作性(アレルギー性)についても、ほとんどありません(データなし)とされます。
ステアルトリモニウムブロミドは、化粧品配合量および通常使用下の中で非刺激性になるよう配合される場合において、一般的に安全性に問題はないと考えられます。
なお、医薬部外品においては洗い流すことが想定される製品については、濃度5%までの配合上限が定められています。
ステアルトリモニウムブロミドは安全に使用できる成分であり、20年以上の使用実績の中で重大な皮膚刺激および皮膚感作の報告がみあたらないことから、化粧品配合量および現在の使用法で安全性が確保されていると考えられます。