グリコシルトレハロースとは、泡立ちおよび泡持続性増強、 なめらかさ向上
トレハロース骨格に
最大3つのグルコースが
α1位と4位で結合した構造を含む
糖質誘導体がグリコシルトレハロースです。
グリコシルトレハロースの
化合物としては、
トレハロース骨格に1つの
グルコースが結合したものがあります。
現在では、
化粧品表示名「グリコシルトレハロース」は、
単一の化合物を表す名称ではなく、
グリコシルトレハロース、
マルトシルトレハロース、
マルトトリオシルトレハロースを
含む化合物の通称です。
このうち、
マルトシルトレハロースが
大半を占めていると報告されています。
製造過程では、
デンプンを出発原料として
糖アルコールの
加水分解水添デンプンも生成されるため、
グリコシルトレハロースを
配合される場合は、
同時に加水分解水添デンプンが併用されます。
化粧品に配合されるグリコシルトレハロースは、
保水、乳化安定化、
泡立ちおよび泡持続性増強、
なめらかさ向上などの効果があります。
これらの効果が期待されるため、
・スキンケア製品、
・ボディ&ハンドケア製品、
・マスク製品、洗顔料、洗顔石鹸、
・クレンジング製品、シャンプー製品、
・コンディショナー製品、
・アウトバストリートメント製品、
・ボディソープ製品、
・まつ毛美容液、プレスタイリング製品、
・ヘアスタイリング製品、ネイル製品など
多様な化粧品製品に汎用されています。
グリコシルトレハロースは、
製品の水分変動を抑制し、
優れた保水性があるため、
製品中の水分を一定に保持することができます。
そのため、
保水作用や水分変動抑制のために、
様々な製品に配合されています。
また、
乳化安定化剤としても
利用されます。
グリコシルトレハロースは、
乳化剤、多価アルコール類、
カルボマーなどの増粘剤(高分子)
との相溶性が良いため、
乳化剤と併用することで、
均質で細かい
乳化粒子の調製が可能となり、
乳化物の安定性が高まります。
さらに、
グリコシルトレハロースは、
洗顔フォームの泡立ちや
泡持続性の増強にも役立ちます。
林原生物化学研究所が2003年に
報告した研究によると、
グリコシルトレハロースと
加水分解水添デンプン混合物を
配合した洗顔フォームは、
ソルビトールやグリセリンを
配合した洗顔フォームよりも、
滴下直後での泡立ちが高く、
また5分後でも泡量を
維持できることが明らかになりました。
加えて、
グリコシルトレハロースと
加水分解水添デンプン混合物は、
ヒト毛髪の感触にも影響を与えます。
林原生物化学研究所が
2003年に報告した研究によると、
グリコシルトレハロース・加水分解水添デンプン混合物は、
なめらかさ向上による
ヘアコンディショニング作用が
あることがわかりました。
以上のように、
グリコシルトレハロースは、
保水作用、乳化安定化、
泡立ちや泡持続性の増強、
そして
ヘアコンディショニング作用など、
様々な効果を持つ優れた
成分であることが分かります。
グリコシルトレハロースは、
現時点で安全性に
問題があるとされていません。
これは、
20年以上に渡る使用実績があり、
皮膚刺激性や眼刺激性、
皮膚感作性(アレルギー性)が
非常に低いことが確認されたためです。
また、
ヒトパッチ試験でも、
陽性率0%という結果が出ており、
安全性に大きな問題があるとは考えられません。
これらのことから、
化粧品に配合しても一般的に安全性に問題がない成分であるとされています。
そのため、
通常の使用量であれば、
皮膚刺激性や皮膚感作性(アレルギー性)も
ほとんど見られません。