ベヘナミドプロピルジメチルアミンとは、髪の柔軟性を高め、滑らかでしっとりした感触を与える
ベヘナミドプロピルジメチルアミンは、ベヘン酸とジメチルアミノプロピルアミンという化合物が反応してできるアミドアミンです。
この成分は、陽イオン性のカチオン性界面活性剤に分類され、第三級アミンの脂肪酸アミドアミンを含んでいます。
化粧品に混ぜると、主に次のような効果があります。
一つは帯電を防止する効果があり、もう一つは、髪の柔軟性を高め、滑らかでしっとりした感触を与える効果があります。
そのため、ヘアトリートメント製品やシャンプー製品などで広く使用されています。
ベヘナミドプロピルジメチルアミンがこのように働く理由は、脂肪酸アミドアミンであるため、有機酸と反応して複合体を形成し、水溶性となることで毛髪表面に吸着し静電気を抑制する効果があるためです。
その結果、髪のパサつきを抑え、良好な櫛通り性を与えます。
また、中和されたときにカチオン性を発揮し、柔軟な髪に仕上げるだけでなく、なめらかな感触を付与します。
ベヘナミドプロピルジメチルアミンの現在の安全性については、15年以上にわたる使用実績があり、皮膚刺激性もほとんどなく、濃度0.03%でもほとんど眼刺激性がなく、皮膚感作性(アレルギー性)もほとんどありません。
そのため、通常の使用下では問題のない成分と考えられます。
化粧品やトリートメント製品などに配合する場合には、非感作性になるように配合することが通常行われています。
皮膚に対する刺激やアレルギー反応については、試験データから判断する限り、ほとんど報告がなく、一般的にはほとんど発生しないと考えられます。
ただし、ステアラミドプロピルジメチルアミンという類似の化学構造を持つ物質が、in vitro での皮膚感作性試験において潜在的な感作物質であると評価されたことがあります。
そのため、この結果を踏まえ、ヒト試験データの重みを加味して、皮膚感作リスクの少ない濃度を設定して処方されることがあります。
目に対する刺激については、試験データから判断する限り、非刺激性から最小限の刺激を引き起こす可能性があるため、濃度0.03%以下においては一般的に刺激性を引き起こす可能性が低いと考えられます。