ジメチコノールとは、損傷毛に対しての親和性が高いこと
ジメチコノールとは、ヒドロキシ基(-OH)が結合したジメチルシロキサンの重合体であります。
この化合物は、油性基剤として配合され、ヘアコンディショニングによるなめらかさ向上効果をもたらします。
この特性を活かし、メイクアップ製品からスキンケア製品、トリートメント製品、アウトバストリートメント製品、シャンプー製品、コンディショナー製品、ヘアカラー製品、ボディケア製品など様々な製品に汎用されています。
ジメチコノールが油性基剤として有用である理由は、ジメチコンと同様に基本的な感触や滑りを持っている点ですが、分子両末端にヒドロキシ基を持っているため、ジメチコンよりもなめらかな感触を有するためです。
このため、単体または他のシリコーンと併用して、主にメイクアップ製品、スキンケア製品、ボディケア製品などに使用されています。
また、ジメチコノールは、両末端にヒドロキシ基を持っているため、損傷毛表面の親水基に吸着して、ジメチコンと同じようななめらかさを付与します。
このため、様々なコンディショニング製品に使用され、ジメチコン以上に損傷毛に対する親和性が高いとされています。
アミノ変性シリコーンは、ジメチコンに親水性のアミノ官能基を導入したシリコーンであり、損傷毛に対しての親和性が高いことが知られています。
一方、ジメチコノールは、疎水性のジメチコンと高い親水性を持つアミノ変性シリコーンの中間程度の効果を有します。
このため、単体または他のシリコーンと組み合わせて、コンセプトに合わせた製品開発が行われています。
ジメチコノールについて、現時点での安全性は以下のように認められています。
まず、25年以上の使用実績があります。
また、皮膚刺激性についてはほとんどなく、眼刺激性については詳細不明です。
さらに、皮膚感作性(アレルギー性)においてもほとんどないとの報告があります。
具体的には、Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データによると、104名の被験者に対して、1.125%ジメチコノールを含むボディローションを用いたHRIPT(皮膚刺激性&皮膚感作性試験)を半閉塞パッチにて実施したところ、いずれの被験者においても皮膚反応はみられず、この製品は皮膚刺激および皮膚感作を誘発しないという結論が出ました(Consumer Product Testing Co,2010)。
このように、試験データからも明らかなように、ジメチコノールは一般的に安全性に問題があるとは考えられません。
皮膚刺激および皮膚感作性についても、ほとんどないと考えられます。