加水分解コンキオリンとは、古くから漢方薬や化粧品に利用され、肌に潤いを与える
加水分解コンキオリンとは、
日本特産の二枚貝アコヤガイの真珠層に含まれるコンキオリンを
加水分解して得られる化学物質です。
この加水分解コンキオリンは、
コンキオリンを不溶性から水溶性に変え、
主に600-2200分子量の水溶性ポリペプチドから構成されています。
アコヤガイは、
日本海岸の山形県から太平洋岸の房総半島まで分布する二枚貝で、
真珠養殖に使われています。
真珠は、90％以上が無機成分で、
6％はコンキオリン、1％は水分です。
真珠の真珠層を削った微粒子である真珠粉は、
古くから漢方薬や化粧品に利用され、肌に潤いを与え、
顔色を良くするとされています。
加水分解コンキオリンは、主に化粧品に使用されます。
具体的な用途としては、
ヘアコンディショニング効果によるなめらかさやツヤ向上、
潤滑性による感触改良を目的として、
シャンプー、コンディショナー、トリートメント、メイクアップ、スキンケア、
シート&マスク、洗顔料、ボディ&ハンドケア、
まつげ美容液、ヘアカラー、アウトバストリートメント、ネイル、入浴剤などの
様々な製品に添加されています。
丸善製薬が2019年に報告した研究によると、
加水分解コンキオリンは毛髪の外観や感触に良い影響を与えることがわかりました。
加水分解コンキオリンは、
なめらかさやツヤなどのヘアコンディショニング作用が認められ、
皮膚に親和性が高く、しっとり感を与えるため、
感触を改善するために多くの製品で使用されています。
この加水分解コンキオリンは混合原料としても使用されており、
併用されている成分によっては混合原料として配合されることもあります。
加水分解コンキオリンは、
医薬部外品原料規格2021に収載される成分であり、
30年以上の使用実績があります。
また、皮膚刺激性はほとんどなく、
アレルギー性もあまりないとされますが、
詳細な安全性試験データが不足しているため、
完全に安全とは言えません。
しかし、現在のところ、
化粧品配合量および通常使用下では、
一般に安全性に問題はないと考えられています。
ただし、加水分解コンキオリンには高分子ペプチドが含まれるため、
皮膚刺激性や感作性が問題となることがあります。
しかし、添加物から除去されていることが多いので、
問題が起こることは少ないとされます。
