ラウリル硫酸Na 洗浄力が高い成分
ラウリル硫酸ナトリウム
幅広い用途を持つ合成化学物質で、乳化剤、発泡剤、洗剤として頻繁に使用されている。日常生活では、歯磨き粉、シャンプー、シェービングクリーム、バブルバス、リキッドファンデーションに、医薬品では医薬品やサプリメントのカプセルに、工業用途ではガレージの床クリーナー、エンジンオイル除去剤、洗車用洗剤に使用されている。
主な用途
これらの合成化学物質は、硫酸塩に結合した12個の炭素原子の鎖からなる構造を持ち、洗剤に不可欠な両親媒性の性質を持つ。これらは洗浄用洗剤によく見られるほか、歯磨き粉、シャンプー、ボディーソープなどにも広く使われている。しかし、他の界面活性剤と同様、皮脂を除去する性質があるため、皮膚や目に刺激を与える可能性があることに注意すべきである。特に目に入った場合は、迅速かつ十分な水洗いが必要である。
危険性はあるのか？
1970年代に発がん性が指摘され、厚生労働省による精密な追試が行われたが、幸い発がん性は確認されなかった。東京都環境衛生研究所でも毒性は認められず、米国化粧品工業会でも化粧品成分の評価を行い、発がん性は否定された。インターネットや電子メールで流布された発がん性の噂は、カナダ保健省や米国がん協会の見解を引用し、虚偽であると指摘されている。
さらに、2007年の今日に至るまで、IARCやNTPの発がん性リストには掲載されていない。科学的・医学的証拠が提示されていないにもかかわらず、今日でも発がん性の主張が頻繁になされている理由のひとつは、自然派石鹸の販売業者が、この物質を市販の歯磨き粉や洗剤に含まれる危険な成分として強調していることである。
洗浄成分としての働き
界面活性剤単体としては何の問題もないと考える人もいるが、その強力な洗浄力と脱脂力、そして皮膚を洗浄するために使用されることから、現代のライフスタイルにおける過剰な洗浄に対する懸念が高まっている。ラウリル硫酸ナトリウムは、優れた洗浄力、浸透性、乳化性、起泡性を持つ陰イオン界面活性剤である。非常に高い洗浄力と起泡性は、シャンプーやボディシャンプー、歯磨き粉などで高く評価されている。ただし、洗浄力が高い分、脱脂力も強く、肌の乾燥を招きやすいので、洗浄剤の使用量には注意が必要です。
似た成分のラウレス硫酸Naとの違い
陰イオン界面活性剤であるラウレス硫酸ナトリウムは、その強い起泡性と洗浄性が注目されている。起泡性とは、泡を発生・維持する能力のことで、炭素数12〜14の物質が特に起泡性が強いことが確認されている。
このカテゴリーの成分としては、ラウリル硫酸ナトリウムがよく知られている。しかし、硬水との相性が悪く、分子量が小さいため皮膚の真皮層まで浸透して強い刺激を与える。そこで改良されたラウレス硫酸ナトリウムの登場である。そのユニークな組成は、洗浄力と強力な起泡性を兼ね備えており、少量のワックスエステル（80％以上が水に溶けない）で、皮膚の汚れや皮脂を素早く効果的に落とすことができる。その結果、シャンプーを短時間で行うことができ、肌への負担軽減に貢献する。
また、ラウレス硫酸Naは、ラウリル硫酸Naに比べて洗浄力が高く、洗い上がりのツヤや櫛通りも良い。洗浄力は高いものの、分子量が大きいため真皮層への浸透が抑制され、アレルギーや肌荒れの心配は少ない。
また、医薬部外品原料規格2021「外用医薬品規格2021」を満たす成分として収載されており、厚生労働省が認めた信頼性の高い成分です。
